型にはめない、採用サイトの撮影
長い付き合いのWeb制作会社さんからの撮影依頼
今回ご紹介するのは、株式会社サティスファクトリー様の採用サイト撮影です。サティスファクトリー様は、廃棄物マネジメントや資源循環の仕組みづくりを手がける環境系の企業で、企業の廃棄物処理を「コスト」から「価値」へ変革するサービスを展開されています。
撮影のご依頼は、長くお付き合いのあるWeb制作会社さんから。サイトリニューアルに伴う撮影で、サティスファクトリー様の撮影をお受けするのは以前に続いて2度目になります。
サイトのキーカラーとワイヤーフレームを踏まえた撮影設計
Web制作会社さんからは、事前にサイト全体のワイヤーフレームとキーカラーが共有されていました。採用サイト全体が青を基調としたデザインで、写真もそのトーンに合わせたいというご要望です。
そこで撮影時には色温度をオートにせず、現場の環境光を読み取ってケルビン設定で調整しながら、撮影の段階からサイトのトーンに近い色味に寄せています。さらに撮影後の編集で仕上げていくという流れです。光の入れ方や立たせる位置といった撮影の基本的な考え方は通常と変わりませんが、色味のコントロールは最初から意識して臨みました。

ワイヤーフレームを起点に、現場で撮影カットを組み立てていく
サイト構成の大枠や、社員一人ひとりについてインタビューと仕事風景のビジュアルを複数パターン使うことは事前に決まっています。ただ、具体的にどんなカットを撮るかは、当日現場で詰めていきます。撮影対象の社員の方に「普段はどんな業務をしていますか?」とヒアリングして、「打ち合わせのシーンを撮りましょう」「オンラインミーティングの時はマイクとか使いますか?持ってきてください」というように、実際の仕事内容に基づいてシチュエーションを組み立てていきました。
現場視察に出る方であればその風景も撮りますし、事務作業が中心の方であればPCに向かう姿や資料を確認するシーンを撮ります。一人につき複数パターンのカットが必要になるため、仕事風景の引き出しはかなり多くなります。


言われたものを撮るだけでなく、こちらからも提案する
Web制作会社のディレクターさんから「こういうカットが欲しい」と言われたものを撮ることはもちろんですが、それだけで終わりにはしません。言われたカットを撮った後に、こちらからアングルを変えて撮ってみたり、手前にランプなどをぼかして入れてみたりと、プラスアルファの提案を積極的に行います。
ディレクターさんの方からも「こういうのも撮りたいです」と追加の要望が出てくることがあり、そうしたやりとりの中でより良いビジュアルが生まれていきます。座る場所やシチュエーションの設定はカメラマン側で指示しながら、その場のコミュニケーションで撮影を組み立てていく。型にはめるのではなく、会社や社員の魅力がより伝わる写真を一緒につくっていく感覚です。

社員の方の自然な表情を引き出す工夫
採用サイトの撮影では、普段カメラの前に立つことのない一般の社員の方が被写体になります。協力的とはいえ、やはり緊張される方がほとんどです。そこで大切にしているのが、声かけや立ち方・動きの指示を明確に行うこと、そして褒めること。打ち合わせシーンであれば相手と自然に会話してもらったり、表情が硬いなと感じたら「ちょっと深呼吸してみましょうか」と声をかけたりしながら、撮影を進めていきます。
こうしたコミュニケーションの取り方は、ウェディングフォトグラファーとしての経験から学んだ部分が大きいです。結婚式という緊張感のある場で、限られた時間の中で自然な表情を引き出してきた経験が、こういった企業撮影の現場でも活きていると感じています。
サティスファクトリー様は社員の方々がとても協力的で、打ち合わせシーンの相手役をお願いした際にも「この時間なら何分まで大丈夫ですよ」と快く引き受けてくださいました。こうした現場の雰囲気が、撮影全体のクオリティにもつながっています。

撮影した写真がサイト全体で活用されている
今回はバリエーション豊富にカットを撮影したこともあり、当初のサイト構成で想定されていた箇所以外にも、スライド形式で仕事風景の写真が多数使われています。たくさん撮影した写真が幅広く活用されるのは、撮る側としてもとても嬉しいことです。
撮影後には、特に女性の社員の方々から「写真がとても良かった」というご連絡をいただきました。皆さんの生き生きとした表情や、写真の仕上がりを喜んでいただけたことが何よりの成果です。言われたことだけを撮るのではなく、現場でのコミュニケーションを通じてより良いものを一緒につくっていく。この姿勢をこれからも大切にしていきたいと思います。