フォトグラファーとしての姿勢と想い
「写真の力」について振り出しから考えた
フォトグラファーとして独立し、アンズフォトを立ち上げてまだ数年で必死に仕事をこなしていた頃、3.11東日本大震災を経験しました。
「写真の力」で何か役立つことはできないかと考えていた私は、交流のあったクリエイターたちとボランティアチームに参加。4月5日には南三陸町に入り、記録写真を撮影する役目を任せていただきました。
南三陸から陸前高田など、いろいろな土地へと移動しながら記録を収めていきましたが、津波の跡はあまりに衝撃的で、さまざまな臭いが混ざり合ったりして、とても私の写真では、現地のリアルな様子は伝わらないと感じました。同時に、有事の際は写真は無力なのではないか、また自分がイメージしていた「写真の力」とは何だったのか、振り出しから考えるようになりました。
そうした中で、私はボランティア活動を継続していました。同年夏、南三陸町の歌津中学校で行われる炊き出しの手伝いに行ったとき、夏祭りで子どもたちが全国から集められた浴衣を着るというイベントが催されていました。私は子どもたちの記念写真を撮ろうと思い、ボランティアのチームで教室にバック紙などを持ち込み簡易的にセットを組んで撮影。追ってプリントをプレゼントさせていただきました(ピクトリコさんから用紙をご提供いただきました)。
飾られた写真に触れ「写真の力」に気づき
あるとき、別のボランティア活動をしていた仲間から相談を受けました。南三陸町のお嬢さんが2011年3月に結婚予定だったのに、叶わなかったのでフォトウェディングだけでも撮ってほしいという内容でした。私は、お嬢さんのこれから先の人生において、さまざまな障壁に負けないようにとの気持ちを込め、津波で流され何もなくなった風景も含めてロケーション撮影させていただきました。
そして奇跡が起きます。フォトウェディングで南三陸町へ行ったとき、仲間が現地でお世話になっているという漁師さんを紹介してくれました。ご自宅にお邪魔したのですが、そこで私の目に入ってきたのは、何と私が歌津中学で撮影した浴衣姿の子どもの写真だったのです。漁師さんは「津波ですべてが流されたので、孫の写真はこの1枚だけ。孫の笑顔に生きる勇気をもらっている」と仰いました。
そのとき、初めて本当の「写真の力」が分かった気がしました。人の役に立つ、勇気を与えられる、笑顔にできる。そんな写真の素晴らしさに、あらためて気づきを得た瞬間でした。写真を仕事にしている自分の存在意義について、眼前がクリアになりました。
写真は人物や空間、そして企業を輝かせる
人も空間も企業も、写真によって輝かせることができます。より価値を上げることができます。そんな仕事をして行きたいと決意した私は、中小企業の人々のための撮影にも、これまで以上に力を入れたいと思うようになりました。
大企業は、広告代理店をはじめとしたプロがしっかりとマーケティングや写真・映像などをサポートしています。一方で中小企業は、すばらしい製品や技術を持っていたり個性的な経営者がいたりするのに、専業の広報セクションを持つことが難しく、あまり上手く広報や宣伝ができていないケースが多く見られます。
現代のような「発信の時代」に、そうした中小企業が何を考え、何を目指し、どう見せたいのかをしっかりとカタチにするお手伝いができたら。そんな想いでこしらえたコンセプトが「すべての企業に専属フォトグラファーを」です。現在、大小さまざまな企業様と、ビジュアル提案のレベルからお付き合いさせていただいており、たとえばお酒が好きな方には馴染みのあるホッピービバレッジ様においても、社外広報のようなポジションでお仕事をさせていただいています。
動画によるネット発信が当たり前の時代
昨今、動画による発信は大手企業だけのものではなく、中小企業においても広く当たり前に行われています。中でも、スマートフォンで見ることに最適化されたような縦長サイズの動画が需要を伸ばしています。
アンズフォトでは、従来のような定番の横長サイズ(16:9など)動画はもちろん、最新のマーケティングに不可欠な縦長サイズの動画にも対応しています。
Instagram(anzphoto_products)で事例を紹介していますので、ぜひご覧ください。
https://www.instagram.com/anzphoto_products/
企業様それぞれに、ビジョンや方針などがあると思います。そうした中で撮影のポイントやコンセプトは変わってきます。アンズフォトは、技術や経験は言うに及ばず、ステキな企業様・製品・サービスをより輝かせたいという根本の想いを大切にします。