20代のときに得た経験|選ばれ続けるフォトグラファーになるためにいまやるべきこと vol.1

~アンズフォト代表・安澤剛直
「PHOTONEXT2024」講演レポート~

アンズフォト代表の安澤剛直が、2024年6月11日・12日にパシフィコ横浜で開催された「PHOTONEXT2024」で講演を行いました。
PHOTONEXTとは、写真ビジネスに関連する機材・サービス等の展示&セミナーの総合イベントです。2004年に「スタジオ写真フェア」として産声を上げ、規模拡大をしながら2010年にPHOTONEXTとして装いも新たに再発進した、伝統ある業界催事です。
主催者企画枠でお声がけいただきました今回のセミナーを、3回にわたってレポートしたいと思います。ぜひご一読ください!!

独立前、様々な写真の業態を経験

私の実家は埼玉県の新座という地域で写真館を営んでいます。店を継ぐつもりで写真の専門学校に通いましたが、実家に戻ればなかなか他の仕事を経験する機会はないと思ったので、いろいろな写真の業態を見ようと就職活動をしました。
最初に入ったのは、広告写真を手がける博報堂フォトクリエイティブ(現・博報堂プロダクツ)です。そこで働きながら目標を定めて、約2年で退職し、五十嵐写真店という婚礼写真の会社でアルバイトをして和装の振り付けなどを学んだ後、写真家・中谷吉隆さんのフォトオフイスプラスワンで1年経験。そして実家に戻り、学校写真や葬儀の写真に携わっていました。

いろいろな経験をして自信もありましたが、当時は父がまだ元気で職人肌だったので、なかなかスタジオでの撮影をさせてもらえませんでした。そうしているうちに父と大喧嘩になり家を出たのが独立のきっかけです。30歳のときでした。
しかし、実家で働いていたので仕事で使うための自分のカメラはありませんでした。営業するための作品集もないという状態でした。実は家を出る1週間前、いまの妻にプロポーズをしてOKを貰っていたのですが、それからすぐに独立という波瀾万丈なスタートになってしまいました。
独立をしてからは、貯金をくずしてキヤノン5Dのセットを購入しました。2台目を買う余裕がなかったのですが、実家の店に現像を出しに来ていた常連のお客さんからお下がりのカメラをいただきまして、これで2台揃ったからウェディングを撮れると(笑)。

理想とするウェディング撮影のために選んだ道

私には、ウェディングに関して理想とする撮りたいものがありました。業界的には、式場さんの下請けとしてルーティンな撮影をして同じようなアルバムをつくることが主流だったように感じます。私は、そうした状況を不思議に感じていました。

広告では、たとえばビールを撮影してもターゲットやコンセプトが変われば、撮り方やアングル、ライティングなどさまざまな要素も変化します。ウェディングも、出会った2人のストーリーはそれぞれのカップルで異なるし、式場を選ぶポイントも、料理やスタッフさん、チャペルの雰囲気など、それぞれ変わってきます。そうなれば写真の撮り方も変わりますし、アルバムの組み方も変わります。それが当然だと思い、こだわりたかったのです。

ではどうすれば、撮りたいウェディングを撮っていけるのかと考えたときに、下請けとしての仕事を続けていてはダメだと結論づけました。そしてそれまでの契約先をすべて解除させてもらい、その代わり平日は広告などの仕事をたくさんこなして行こうと思い、スタートしました。
現在、ウェディングは複数の提携先で、私も当社のスタッフも、指名プランのみ撮影しています。式場さんの広告もやらせていただいてますが、バンケットのコンセプトに合わせて装飾を提案したり、ドレスに合わせてモデルのキャスティングやヘアメイクを提案するなど、ディレクションを含めた撮影をしています。

人との出会いやチャンスを掴む嗅覚

ウェディングで自分の理想を求め、一方で広告等の分野で生活を支えようと独立をしたわけですが、最初はなかなか仕事が来ませんでした。フリーでウェディングの司会業をしている方の事務所に机を置かせていただいて、お客様に自分の考えや想いを伝えて、営業させていただいたりしていました。

ちょうどその頃、ウェディング業界をより良くしていきたいと考える、現在の日本ウェディングフォトグラファーズ協会の前身となる組織があり、同じ熱を持った人々と出会い、協会を立ち上げに至りました。初めてPHOTONEXTで講師依頼をいただいたのも、その頃です。せっかく想いを発信する機会をいただいたのですが、まだ正式に立ち上がる前で細かな方向性をメンバーとはっきり取り決めていない時だったので、単に私の夢を語る講演になりました(笑)。
私はそこで、「必ずフリーランスの人たちがもっと活躍できる時代が来ます。そのために私たちが今、どういう立ち位置を目指すべきなのか」といった内容のことを話しました。その中で、更に活躍するためには、新しいことにチャレンジしていくことが必要だと思っています。

広告や企業系の撮影に関して、私の仕事を変えてくれた1枚があります。Adidasのゴルフブランドの仕事でモデルさんを撮っているときに、追加でシューズの物撮りが必要になったんです。「代理店の経験があるから物撮りできますよね?」と、簡単でいいから撮ってほしいと言われました。そうなると火が付くものでして、合成するようなカットも一発で撮影して、いろいろなものを撮ることができるフォトグラファーであることを認識していただきました。
それをきっかけに、たとえば化粧品の撮影などでメインビジュアル撮影を大手代理店からアンズフォトに切り替えていただいたりなど、仕事の幅が大きく広がりました。それ以来、人物や商品、空間、ウェディングなど、クライアントも民間の大手から中小まで、また役所などの撮影に携わっています。20代のとき、さまざまな業態を経験したことが生きていると思っています。

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